紅花摘み後半も終了し紅餅作りも最終段階。
紅餅は紅花の花弁を集めて作られる紅花染や口紅の原料ですが、紅花染をされている方の中にも紅餅を使う方、使わない方様々です。
花弁をそのまま乾かした「乱花」、紅餅と同様の工程を経て紅餅の様な形にせず、そぼろ状で乾燥させた「すり花」などがありますが、当店ではやはり紅餅。
前回の記事で、「荒振り」「中振り」「揚振り」、そして「花寝せ」の工程まで行きましたが、重要だと思うのが「花寝せ」
紅花の花弁の中には黄色の色素のサフロールイエローが99%で、紅の色素のカルタミンは1%と言われていますが、分析などしたことも、する知識も技術もありませんが、摘み取ったばかりの花にはカルタミンの前駆体のカルコンが殆どなのではないでしょうか?花寝せの工程で黄色い花弁がすべて「紅色」に変化していく様子をみるとそんな気がします。
さて、作業の話ですが、昔は「花筵(はなむしろ)」というムシロの間に団子状に丸めた紅餅(になる前の状態)を並べて足で踏んで小判状にしていたらしいですが、今では手で丸めて小判型にして干すのが主流な気がします。うちではもちろん手で丸めて小判型にして干します。
が、今日は雨・・・・。
江戸後期の方々~~~~雨の日はどうしてたんですか~~~~!!!
今では、「花寝せ」の段階で冷蔵庫で保管して干す日を調整したり、扇風機で風を当ててカビが生えないようにしたり、当店では蔵の中で除湿器を着けて晴れるのを待っていますが、やはり天日干しが一番。早く晴れてくれ~!
そうそう、忘れるところでした、前回お話しした「青苧」
紅餅を作る段階で出る液に浸しておきましたが、しっかりと「紅」の色素のカルタミンを吸収してくれました。
木綿でも良いのですが、植物性の繊維は紅花の黄色い色素を吸収しません。紅だけを吸収しますので、廃液の中の「紅」そして廃液の中で結合してカルコンからカルタミンになった「紅」を残さず吸収してくれました。今はまだ井戸水で黄色の色素を洗い流している段階ですが、なかなかの量を吸ってくれたようです。
スカーフにすれば何枚分になるかな~
あとは、しっかり水洗いをして乾燥させれば、いつでも黄色を含まない純粋な「紅」が使えます。
ある意味、紅餅よりも純粋な「紅」が使いたい時にはこちらの方が便利なんですよ~
今日は雨。
早く天日干しがしたいです。
店の中から見える庭にはヤマユリが綺麗にさいています。