紅餅と烏梅

紅餅の隣の黒い物。
これは烏梅(うばい)といって紅染めには必須の物です。

紅染めは、紅餅を藁やアカザ等を燃やした灰で作った灰汁、アルカリ性の液に浸して色を抽出します。
液がアルカリ性のままでは発色も悪く絹も傷みますので中和させなければなりません。
今では薬局でクエン酸の粉末も、スーパーで酢も簡単に購入できますが、昔は米から作る酢は今ほど安い物でも無く、液体を運搬、保存することは簡単なことではありませんでした。
そこで紅花染の酸として使われていたのが、この烏梅です。
※必須とは言いましたが、クエン酸の粉末や食用の酢で代用も可能です。

紅花が咲く頃、梅の実が木から落ちる頃に収穫した梅の実に、竈の煤(すす)をまぶして真っ黒にしたものを燻製にし乾燥させた物です。

例年、店の裏にある梅の木の実で作っていたのですが・・・・・・

今年は丁度予定していた頃に台風が来てしまい、
その後も、数日置きに雨が降り・・・・結局、今年は作らずに梅のシーズンが終わってしまいました^^;

あぁ中庭のユリも雨に打たれ・・・

いつの頃からこの烏梅を使っていたのかは判りませんが、数年前に作った烏梅も、全く品質が変わらぬ状態で保存が出来ています。
以前、実験として梅の実に煤をまぶさずに烏梅を作った事があるのですが、乾燥に非常に時間が掛かりました。
煤が日光を効率よく吸収するだけでなく、多孔質である煤が効率よく水分を発散させるからではないでしょうか?

烏梅は紅染の助剤としてだけでなく、漢方薬としても利用され腹痛や下痢止め等にも効果があるのだとか。

先人の知恵とは本当に驚く事ばかりです。