お蚕さま

季節は秋 近くの水田でも稲刈りが少しづつ始まっています。

藍の生葉染めのカルチャー教室も終わり、その後はバタバタと御蚕様のシーズンに突入してしまいました。

御蚕様は、春、夏、晩秋、晩晩秋と年に4シーズン飼育することが出来るのですが、当店で飼育するのは晩秋のみとなっています。
それぞれのシーズンは、稲作の忙しくないシーズンに行うのですが、うちは紅花など他の作業に被ってしまうので晩秋のみ。

8月30日に「配蚕」 3齢とよばれる体長1cm、太さ1mm程の小さな小さな状態で蔵王上野から卵から孵化させ2度脱皮した状態で頂いてきます。

瓶屋から信号機を一つも通らずに約20分、蔵王にある桑畑で桑の葉を収穫します。近くに果樹畑なども無く、風に乗って農薬なども来ない畑です。

5齢にもなると軽トラの荷台に山盛りで1日分です。
もちろん御蚕様は枝は食べませんので、枝を全て外します。これもなかなか時間のかかる作業です。
※桑の葉を枝ごと与える飼育方法もありますが、飼育スペースの問題で葉だけを与えています。
もりもり食べます。蔵の中は小雨でも降っているかのような音がします。

食べて大きくはなりますが、もちろん自然の摂理で出すものは出します・・・・。さてさて、どうやって掃除をするのか・・・そこで登場するのが柔らかなネット。
このネットを掛けて、さらに上に新しい桑の葉を載せると・・・・・・・ ☆!上に旨そうな桑の葉が!☆ 食欲旺盛な元気な御蚕様はネットを潜り抜け上の新しい桑の葉へ上ってきます。しばらく待ってあらかた登ったらネットごと移動して下の食べ残しと糞を片付けます。これは畑の肥料に~

うちに来て二十日後 いよいよ純白だった体がうっすら黄色みを帯び透明感が出てきます。

毎度お馴染みの「回転蔟」かいてんまぶし~
熟蚕(じゅくさん)となった御蚕様を回転蔟へ上蔟(じょうぞく)です。
高層マンションよろしく上層階が人気で、みんな上へ上へと昇ります。先に入居して糸を吐き始めたら、もう引っ越しは出来ません。
入居済みの部屋の前であとからきてウロウロしている御蚕様が多くなると、重さで回転蔟がぐるりと回転。上が下へ、下が上へ。今度は上がガラ空きなので方向転換して上層階の空き部屋へ。移動が面倒になった御蚕様は真ん中の部屋へ。

この時期の最適温度は23℃・・・・・最近はめっきり冷え込んで何もしないと夜は16℃?よりも冷えてしまいます。
あまりに寒いと糸を吐くのを途中で休んでしまい、繭が二重になってしまったり、途中で力尽きしまったり・・・

熟練の先輩方は、灯油の対流式ストーブなどを上手に使いますが、小心者の私は石油ファンヒータで・・・。
でもファンヒーターは安全の為3時間で止まってしまうので、3時間で止まると次のヒーターがタイマーで点火 合計6時間。

それでもちょっと怖いので、昨日からはオイルヒーターも追加です。

26日には繭の中で御蚕様は蛹へと姿を変えて、収繭となります。
今のところ、今年も昨年同様に自家製の繭で正月飾りが作れそうです。

乞う御期待!!

あっ、カボチャの収穫もしなければ!!!

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