冬籠り中の瓶屋

ただ雪に埋まっていただけではなく、冬には冬の仕事。

紅花が咲くのは7月中旬ですが、紅花染めはこの時期が最盛期。

紅花染めの染液は腐敗が早く、雑菌の繁殖が少なく、水の冷たいこの時期に染めます。

2月3日節分

色々な御縁がありまして、母(店主)の故郷である寒河江市にある慈恩寺にて奉納される舞楽で使用する「帯」を慈恩寺の子供達と一緒に染めました。

慈恩寺舞楽は永正年間(498年前)から奉納されてきた古い歴史をもつ舞楽で、慈恩寺舞楽には「太平楽」という舞があり、鎧武者姿の舞者が刀をおさえる為に紅白の帯を用います。

紅の赤色は魔除けの意味合いもあり古くより日本人にとって特別な意味を持った色で、この帯を地元の紅花を使って、地元の子供達によって染め上げようという試みに今回協力させていただく事となりました。

今回の紅花染めで使用した紅は、慈恩寺の醍醐地区の箕輪にて紅花を栽培し紅餅を作っていらっしゃる佐藤富美夫さんが紅餅を作る際にでた液に木綿を漬け込み色素を吸収させた紅木綿を使用しました。

紅花の色素の99%は黄色の色素で、紅の色素はほんの1%。

紅花の花弁を紅餅にする際にもわずかながら残液に出てしまう紅を、食物性繊維は黄色を吸収せずに紅だけを吸収するという特性を生かして集めた紅木綿

山寺の芭蕉記念館に収蔵されている江戸時代の紅花の収穫から北前船に乗せて運ばれていく風景を描いた、長谷川家の屏風にも、この紅木綿が見て取れます。

今回は、この佐藤さんの作った紅木綿をアルカリ性の灰汁に漬け、紅の色素を溶かしだし、当店で作った烏梅という梅の実の燻製を戻した酸性の液にて中和し、山形県鶴岡市の松ヶ岡で織られた絹布を染め上げました。

子供達は美しく染まった紅木綿が、灰汁の中に入ると液が赤く染まり、紅木綿の色が抜けて茶色になってしまう様を「理科の実験みたい!!」と楽しそうに作業をしていました。

6年生は理科の授業でアルカリ性と酸性を習った様で、汗がついてしまうと色が変色してしまう紅花染めをリトマス試験紙みたい!と授業の良い復習になった様です。

作業の終わりに、残った液で瓶屋で育てた繭を染めました。繭はもちろんシルク100%、とても綺麗に染まり、子供達も御満悦。

慈恩寺と舞楽の歴史、最上川と北前船、そして紅花の交易とお雛様、実際に見て体験し、色だけでなく烏梅の香り、染液の移り変わりを体験した子供達。

歴史の帯を、また次の世代へと繋いで行きたいと思います。

今回の写真は、作業のため撮影が出来ませんでしたので、取材に来てくださった、Facebookにて「やまがたんけん(山形グリーン・ツーリズム情報)」を発信して下さっている、テレビユー山形の藤岡彩様の写真を掲載させて頂きました。

https://www.facebook.com/greenmurayama